これは私のあるひととの恋と別れのこと。

時はもう15年以上前になり、インターネットもまだ日本には普及しておらず、パソコン通信だったころ。
出逢ったのはパソコン通信のとあるところで。
見初めたのは彼女のほうから。

そこからまず違ったのは、
彼女は過去からのトラウマで、見初めた相手はすぐにでも受け入れてくれないと嫌だってひとだった。
逆に私は、いまも同じだけど、時間を掛けてわかり合わないと無理なひと。
そこでまずもめまくったよね、当然のごとく。
結果だけ言えば、私が泣きながら折れたんだけど(^^;。
でもいま思えば、そこがいけなかったのかも知れない。
ちゃんと彼女を判るまで、そこまでは受け入れてはいけなかったのかもしれない。

ただ彼女はとっても喜んでくれて、全身全霊を持って愛してくれたよ。私を。
過去のことでも、いまもことでも、重いことがあると、
「重いから半分持って」
って、私に当たり前のように話してくるひとだったしね。
そして彼女は人間不信だったところがあったけど、私といると、少しずつひとを信じられるようになってきた、そう云ってくれるひとだった。
でも本当にピュアな付き合い方で、たまーにデートして、手をつないで歩くくらいだった。キスだってしていないし、たまに電話で話すくらいで幸せだった。

そして彼女の文章や言の葉に関する感覚と感性は、私なんか彼女を見ることもできないくらい高みにいて、文章の行間を読むなんて当たり前で、相手、たとえば私相手とかになると、私の意識していない無意識層のけっこう深いところまで読んでるでしょってひとだったの。もうこれって反則だよねw
あるとき彼女はこう言って悲しんでいた。
私と彼女といまでは23年来の私の友達と、いまでいうところの同じスレッドと言えば分かるかな、そこで話していたときのことを、別の処で二人っきりで話していたときにこう言っていた。

「さっきまで3人で話していたのに、気付いたら私だけ置いてけぼり。二人だけで高いところへ行っちゃって話していた。」

別にね、そのときだって私も私の友達だって彼女を蔑ろになんてしてなんていなかった。同じようにコメントしたりして話していたんだよ。
そこからでも、読み取るひとだったの。

その彼女の私への口癖は
「あなたが私を好きじゃない。そう想えることは書かないでね。言わないでね。」
ってね。

そして、そのときも、私は微塵もそう想っていなかったし、書いてなどいなかったと記憶している。Logを探してみたけど、見つからなかったから証拠もないんだけど。
でも彼女は読んだんだ。
そして、泣きじゃくりながら云っていた。
「あんなに、、、あんなに云っていたのに、何でいったの?私の云っていること、軽く聞こえていたの?ねぇ。」
そして彼女はいなくなったんだよね。

そして彼女は重いうつ病を発症し、リストカットを繰り返すようになったらしい。ひとの気を惹くためのリスカじゃなく、本当に死にたくて。
私はといえば、なーんにも思考が働かなくなったし、精神からきたんだろうけど、皮膚からの感覚(主に触覚)がメチャクチャになって、服を着ることも辛くて、もちろん寝るときのパジャマも無理だし、布団が身体に触れるのもだめになっていた。
あと「一人も嫌。でも誰かといるのも嫌。」っていう想いが過度に増しちゃって、ひとりで部屋にいるのすら辛かった。パソコン通信だって、そのときは何も反応を示すことはなくなっていた。それは半年くらいだったかな。

その後一度だけ、リスカを繰り返しても死ねなかったという彼女からの連絡で逢ったけど、そのときもリストバンドを下げて「これがリスカの痕なの」って、当たり前のように私に見せていたっけ。
ま、それ以降は連絡を取り合ってもいないんだけどね。


そう、私が彼女を裏切ったの。
全身全霊をもって愛してくれたのに。
ひとによっては、それは自分で気付くのも無理でしょっていうかもしれない。でもね、どんな些細な理由であろうと、裏切りは裏切りだよ。だって彼女は全身全霊で愛してくれたんだもん。それを受け入れる覚悟がなきゃ、いけないんだよ。彼女の全部をね。
まあ、このあたりは、私が誰かを愛するときのものに直結していると思うし、そういう覚悟で愛してる。ま、だからそこに至るまでより時間が掛かるんだけど。

蘇ったのはこの『裏切り』という想い。
だから、、、全身全霊をもって愛してくれた彼女でさえ裏切ったのだから、、、という自信の喪失だった。
そのときはたくさんの時間を掛けて封殺したけど、今度はたくさんの時間を掛けて内包していくの。私を大切に大切にしてくれるひとの、愛してくれるひとの、その想いをかりて。


って、
書くって決めたくせに、書いていて心臓がバクバクでやんの(^-^;

written by かずちゃん(kazucy_i)かずちゃん